アイルランドの伝統楽器
アイルランドを知る上で切っても切り離せないのがケルト音楽です。どこか懐かしく感じるケルト音楽はアイルランドの伝統的な楽器で今なお奏でられています。もちろんアイルランドだけでなく、世界中で愛されるケルト音楽は、ゲームのBGMとしても使われることが多く、若者からも絶大な支持を得ています。そんなアイルランド人の心であるケルト音楽を支えている楽器を見てみましょう。
アイリッシュハープ
アイリッシュハープは弦鳴楽器の一種で、グランドハープと同じ撥弦楽器です。しかしアイリッシュハープの半音階操作はレバーで行うのに対して、グランドハープは足元についているペダルで行うという全く異なった構造をしています。
また驚くことに現代でも、アイリッシュハープの音色は治療効果が大きいとの報告が多数されています。 弾けば弾くほど感性が豊かになり、心身ともに健康を保ち続けてくれる不思議な音色を持っているようです。
アイリッシュフルート
アイリッシュ・フルートは、アイルランド音楽などのケルト音楽に必要な木製のフルートです。
ティンホイッスルと同様に直接指でふさぐ指孔が6つ開いており、下から順番に開けることでニ長調の音階が得られることが特徴です。太くて大きな音が出るアイリッシュフルートはアイルランドの伝統音楽にはかかせません。
フィドル
フィドルはバイオリンのことです。と言ってしまうと語弊があるかもしれませんがクラシックを弾いたらヴァイオリンで、民俗音楽に使えばフィドル、と言われているようです。
面白い例としては
・ 表板が光ってきれいなのがヴァイオリン
・ 松脂の粉が山のようになっているのがフィドル
・ 楽譜通りに正しく弾いても音楽にならないのがヴァイオリン
・ 楽譜を無視して弾いても音楽になるのがフィドル
・ ヴァイオリンは練習したら弾けるようになる
・ フィドルは練習しても思うほど弾けるようにならない
・ 下手なヴァイオリニストは納得される
・ 下手なフィドラーは袋叩きにされる
・ ヴァイオリニストはそっと音を出す
・ フィドラーはいきなり突拍子もない音を出す
・ ヴァイオリンの上手な人は正しい運指をマスターしている
・ フィドルが上手な人は無茶苦茶の運指で正しく弾ける
・ ヴァイオリニストは演奏会が終わってから酒を飲む
・ フィドラーは演奏前、演奏中、演奏後に酒を飲む
・ ヴァイオリニストはとりあえず向上しようとする
・ フィドラーは、酒の量に比例して向上する
・ ヴァイオリニストは自分の演奏の不出来を楽器のせいにする
・ フィドラーは楽器のせいにできるほどいい楽器を持っていない
・ ヴァイオリンの音は神経にさわり、頭痛を起こす
・ フィドルの音は癪にさわり、物を投げたくなる
・ ヴァイオリニストは楽譜がないと困る
・ フィドラーは楽譜があると困る
・ ヴァイオリニストは演奏中、自己陶酔している
・ フィドラーは演奏中、酒に酔っている
・ ヴァイオリニストは練習を欠かさない
・ フィドラーは酒を欠かさない
・ ヴァイオリニストは演奏家である
・ フィドラーは作曲家である
・ ヴァイオリニストは楽屋で今日弾く曲を練習している
・ フィドラーは楽屋でみんなと遊んでいる
・ ヴァイオリニストは車を道の真ん中で停める
・ フィドラーは他の車にぶつけてから停まる
・ ヴァイオリニストはヴァイオリンの他はよくわからない
・ フィドラーはフィドルのこともよくわからない
これを読むと、フィドルとバイオリンの違いがよくわかりますよね!
バウロン
バウロンは、アイルランド音楽に用いられるフレームドラムで、ゲール語の「bodhár(鈍い響き、耳の遠い人)」に由来しています。演奏方法ですが、バチを巧みに使って変幻自在のリズムを奏でます。
打面を横にして構え、バチで叩きます。もうひとつの手で打面の裏側を押さえ、皮を張ったり緩めたりして音に高低をつけます。また、たたく場所によっても音が変わります。ドラムもチューニングをするということと音程があるということが面白いですね。
ティンホイッスル
アイルランド発祥と言われる縦笛で、ゲール語ではファドーグと呼びます。指穴が6つしかないのですぐにドレミを覚えることができます。タイタニックのテーマを演奏したことで有名になりました。ティンホイッスルは移調楽器であり、メーカーによっては多くのキーの笛を生産していますが、アイルランド音楽において最もよく使われるのはD管です。どのような音が出ると思いますか?高くて軽やかで楽しくなるような音楽をぜひ聴いてみてください。
イリャンパイプス
口ではなく、ひじでふいごを動かし空気を送って音を出すバグパイプの一種でゲール語で「ひじのパイプ」という意味です。メロディーを奏でる管が1本、持続低音を出す管が3本、和音を出す3本の管あり空気を袋にいったん溜め込んで演奏します。イリャンパイプスを演奏するときは、ひじでシコシコと空気を送りながら手首でキーを押さえ、さらに指でチャンターの穴をふさぎ、さらにチャンターを膝(ひざ)に押さえつけて先端の穴までもふさいだり開けたりするため、右手が大忙しです。
アコーディオン
このアコーディオン、普通のものとは違うことにお気付きですか?アイリッシュアコーディオンは、鍵盤の代わりにボタンが並んでいます。
コンサーティナ
八角形のアコーディオンです。
アイリッシュアコーディオンは2列に配列されたボタンがあることにより1人で演奏しているとは思えないような何重にも聴こえる音楽を演奏することができます。街中やパブでセッションが行われているときにはぜひ耳を傾けてみてください。ケルト音楽はどこか懐かしく心地の良い音楽です。
ブズーキ
ブズーキはギリシャから持ち込まれ、独自の発展を遂げた楽器。マンドリンに似た8弦(複弦なので4音)の弦楽器で、ピックで弾くのが一般的です。豊かな音量、はじけるような高音、力強い低音!アイルランド音楽にはかかせない弦楽器の一つです。
ケルト音楽は多くの楽器の音色が折り重なり、独特の魅力を放っていることが分かって頂けたと思います。留学中にもこれらの楽器を見にする機会も沢山あると思います。もちろん留学中に楽器の演奏をしたいという方もご相談ください!